2017年7月21日脳卒中、心臓病その他の循環器病に対して実効性のある基本法を

 私達は、北は北海道から南は沖縄に至る、脳卒中患者団体と個人の全国組織
です。現在の「循環器病対策基本法案(略称)」が実効性を欠くため、これまで
一貫して実効性のある本来の「脳卒中対策基本法」を求めて来ました。
 然し、今の停滞状態が長く続くことも、患者たちの実効性確保の希望を無視
した現法案の成立強行も、基本法推進の原点からかけ離れたことです。

 一方、「日本脳卒中学会」と「日本循環器学会」が関連19学会の協力を得て
作成した「脳卒中と循環器病克服5ヵ年計画」が公表されています。
 私達は、この計画に沿って「循環器病対策基本法案(略称)」の表現を修正し、
急性期対策等に不可欠な事項を補足すれば実効性が確保できると考え、修正を
加えた法案の実現に努める事を役員会で決定しました。これによって、実効性
のある法案の早期成立を期待します。(修正点の詳細と法案の対照表は別記。)

【主な修正点】
1.法案の各章、各条、各項の「循環器病」を「脳卒中及び循環器病」に修正。
2.具体的施策等の補足:「救急搬送」及び「医療機関の整備」の条に、医療及
び治療開始の「迅速」を補足。「リハビリテーション」を関連項目に明記。
「情報の収集・提供」の条に具体的内容の補足、等。
3.対策推進協議会の定員増と「脳卒中対策部会」「循環器病対策部会」の設置。

【修正が必要な理由】
 1が修正の根幹です。現法案が「旧脳卒中対策基本法案」の条文から「脳卒
中」の文言を省き、多数多様な全ての循環器病を単純に「循環器病」とした結
果、国を挙げて脳卒中対策に取り組む事が出来なくなりました。

 本来、対象が一つであれば各条文は国や自治体の義務となりますが、脳卒中
を含め循環器病全てを単純に一括したのでは、自治体毎の予算や方針の違い等
から事実上は努力目標になってしまいます。これは、私達が本来の「脳卒中対
策基本法」を一貫して求めてきた最大の理由です。

 一方、「脳卒中と循環器病克服5ヵ年計画」は表題も、60 頁を超える個々の内
容でも一貫して「脳卒中と循環器病」と併記しています。これは脳卒中が大枠
では「循環器病」に分類されていますが、病気の実体は「脳」の損傷のため、
脳卒中が心臓病等の循環器病とは区別されているためで、医療上も「日本脳卒
中学会」と「日本循環器学会」中心の役割分担がある事にも良く表れています。

 「主な修正点」の1は、以上の「5ヵ年計画」に沿って実効性を大きく回復。
2の補足は、脳卒中だけでなく心臓病等にも有効、不可欠なものです。
3は循環器病の多様性に対し推進協議会が有効に機能する必要からです。


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2016年11月11日脳卒中対策基本法について

「脳卒中対策基本法」実現のために(第一回)          東京大学名誉教授 上野正

この基本法は、脳卒中の大きな被害を克服し、患者や国民を救うための基本として推進されて来ました。ところが、去年の春から「脳卒中対策基本法」はやめて、全ての循環器病を一括した「循環器病対策基本法」に転換する動きが始まりました。

然し、循環器病には対策の違う病気が多数含まれているため、この法律には脳卒中対策に実効性がありません。日本脳卒中者友の会は、この転換はやめて本来の「脳卒中対策基本法」を実現するために努力しています。この事は、会報誌「あゆみの友」やホームページにも載りましたが、具体的な動きをしっかりお伝え出来ていませんでした。

これからは、この欄で基本法関係の情報をもっと詳しくお伝えして行きます。

 


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